チック障害

チック障害とは

チックは、突発的、急速、反復性、非律動性、常同的な運動または発声のことをいいます。運動のチックと音声のチックの両方があり、しかも何らかのチックが1年間以上持続する場合、トゥレット障害とされます。4~11歳ころに初めて症状が出ることが多く、遅くとも18歳までに発症することが大多数です。
チックの発症時に多く見られるのは、まばたきをはじめとする顔面の急速な運動のチックです。多くの場合、音声のチックは運動のチックより遅れてあらわれます。飛び跳ねる、じだんだを踏む、触るなどあたかも目的をもつように見える複雑運動チックがみられることもあります。汚言症は、社会的に受け入れられない、しばしばわいせつな言葉を発してしまう音声のチックですが、汚言症を有しないトゥレット障害のほうが多いとされています。
チックは、持続期間の長短や重症度に限らず、部位、種類、頻度が変動したり、軽快や増悪を繰り返したりします。18歳以上で発症することもありますが、その場合には、脳に別の疾患や原因がないかどうか十分に検討する必要があります。
トゥレット障害の当事者の約50%に注意欠陥多動性障害(ADHD)症状があり、約30%は強迫性障害を合併します。強迫性障害の診断に満たない強迫症状まで含めるとその頻度は過半数となります。 上述のとおり、部位、種類、頻度が変動したり、軽快や増悪を繰り返したりする性質があることを含めチックの特性を当事者や家族などが理解して受け入れ、適切に対応できるようにしていくことが治療の基本になります。
チックや合併症が重症で社会機能を損なう場合には、薬物療法を行うことがあります。

投稿日:2013年12月17日|カテゴリ:最新の医療情報