うつ病と適応障害
うつ病の典型例は内因性うつ病と呼ばれ、本来は明らかな原因がなく抑うつ状態が現れる病気で、心因的ストレスは契機となることはあっても原因ではありません。これに対して適応障害は、実際のストレスを原因とする反応性の抑うつ・不安状態などの精神的不調を指していますが、原因が解決されずに長期に持続するときには症状も長く持続し、うつ病との区別が難しいことがあります。
治療的には、うつ病は休養と薬物療法が中心ですが、適応障害は原因を解決することが第一となります。
また適応障害は、基盤に軽症の障害が重なっていることがあり、その場合、表面的症状だけではなく、全体を意識した対策が必要です。
そういった基盤としては、内因性うつ病、双極性障害の軽症状態、パーソナリティー障害、発達障害などがあります。
話題にのぼることの多い現代的なタイプの職場の「うつ病」では、主な問題は適応障害ですが、昔とは異質のストレスの過大さ、ストレス因子をすぐに解決することの難しさ、ストレス耐性の弱さなどが際立っています。